作品名:群青リフレクション2巻
作者:酒井まゆ
ジャンル:高校生、芸能界、恋愛
7月末に群リフ②〜④が重版かかりましたので、今なら幾分手に入りやすいかと思います!📚
— 酒井まゆ🍙7月号からハロイノ (@mayupon107) August 9, 2019
紙に印刷された時に一番映えるように画面をつくっているつもりなので、もし機会があれば是非一度お手に取ってみてください😊
そして本誌来月号で最終回です。最後までよろしくお願いいたします! pic.twitter.com/y0uItjC29z
群青リフレクション2巻 あらすじ
私立舟越高校芸能科に入学した柊心晴。心晴は超売れっ子俳優やモデルのクラスメイトに囲まれながら、学校生活を送っていた。心晴には「会いたい男の子」がいた。その男の子を探すために芸能界に入り、女優を目指している。そんな心晴の前に、心晴の心を動かす無名の俳優「芹沢漣(せりざわれん)」が現れた。心晴は謎の多い芹沢漣に惹かれていく。
柊心晴(ひいらぎこはる)
幼い頃に観た映画が忘れられず、芸能界に入った天然で平凡な女子高生。私立舟越高校の芸能科に入学し、バリバリオーディオをこなしていくと意気込んでいる。夢は女優になって、幼い頃に観た映画に出演していた「男の子」に会うこと。
紺野景梧(こんのけいご)
私立舟越高校の芸能科に入学した、心晴の幼馴染で売れっ子俳優。学校中の女子が憧れている。心晴のことが好きだが全く気付いてもらえない。心晴とは同じクラス。
芹沢漣(せりざわれん)
クールでどこか冷めている謎が多い心晴のクラスメイト。周りを圧倒する演技力を持っているが、オーディションやオファーを断り続けている。心晴に無名仲間だと思われている。心晴が宝物にしている「映画の半券」に思い入れがあるようだ。
野々宮葉柚(ののみやはゆ)
心晴のクラスメイトで人気モデル。景に憧れを抱いており、景と心晴の関係が気になっている。
群青リフレクション2巻 5話
葉柚「…」
ロッカーを意味深な表情で見る葉柚。
放課後…
心晴たちの芸能科は、放課後に仕事で休んだ分の授業をみんなで補い合う。
心晴「ここ分かる人ー!?」
芹沢「なんで俺まで付き合うんだよ?!俺達皆勤賞だろーが!!」
芹沢は心晴にみんなの補修を手伝うように言われ、文句を言いながら残っていた。芹沢は当初よりもクラスに馴染んできて口数も増えていた。
心晴「だからこそ分からないところを教えるんでしょ!」
実は心晴はもっと芹沢と喋りたいという気持ちで芹沢を補修に残らせていた。心晴は無意識のうちに芹沢を見つめていた。
芹沢「見とれてんじゃねーよ」
心晴「!!!」
心晴は動揺を隠せない。
葉柚「紺野くん、英語の教科書持ってない?忘れちゃったの、貸してくれないかな?」
景「あるよ、今持ってくる」
クラスメイト「すごい!さすが葉柚!よく紺野君に教科書借りれるよね!」
葉柚「え?クラスメイトじゃん!」
景「はい、教科書…」
パシャ(写真を撮る音)
景・葉柚「!!」
景と葉柚は、他のクラスの女子生徒に盗撮をされていた。その様子を見ていた心晴は大声をあげて盗撮をした女子生徒を追いかける。そして写真を消させていた。
景「あんまり危ないことするなよ」
笑顔で戻って来た心晴に、景は優しく頭を撫でた。
放課後
梨沙「で!?心晴は芹沢と紺野君とどういう関係なわけ?」
心晴は梨沙や葉柚たちと放課後にカフェに来ていた。そして梨沙は心晴や景の関係を聞き出そうとする。
心晴「なんともないよ!景ちゃんはお兄ちゃんみたいな感じだし…、かっこいいとは思うよ!」
心晴は景は幼馴染で兄のような存在だと思っていると明かした。梨沙は納得がいかない様子。
心晴「それより、さっきの盗撮とか!もっと気を付けた方が良いよ!」
心晴は人気モデルの葉柚や女優の梨沙に盗撮や嫌がらせを気を付けるように念を押す。しかし、葉柚や梨沙は「よくあること」と言い、あまり気にしていない様子だった。
翌日の放課後
葉柚「夢みたいだな、わたしずっと紺野君のファンだったから。今すごく浮かれちゃってる」
葉柚は景と2人で教室に残り、葉柚は景が休んだ分の授業を教えることになった。葉柚は景に憧れており、こんな風に話せるとは夢にも思わなかったと伝える。
景「ありがとう、そう言ってもらえてうれしいよ。」
景は葉柚に優しく微笑む。
そして葉柚が生物のノートを鞄から取り出そうとすると、ノートが無くなっていることに気付いた。葉柚は違和感を感じたが、景には伝えず、補修を続けた。
翌日
心晴たちが体育に向かおうとすると、葉柚は体操服が無くなっていることに気付く。葉柚は、ここ数日ノートや服を盗まれていた。しかし、誰にも言えずにいた。
心晴「葉柚ちゃん!体育行こう!」
葉柚「ごめん、わたし頭痛いから保健室行ってくる!」
葉柚は一人で保健室に向かうと言い、心晴たちから離れる。そして、葉柚は保健室には行かず、校舎の隅で泣いていた。そして景は一人で泣いている葉柚と偶然出会う。
葉柚「最近物が無くなってて、いじめでは無さそうだし。先生に言うべきなんだろうけど、騒ぎを起こしたくなくて」
葉柚は今まで騒ぎを起こしたくなくて、物が無くなっていることを心晴やクラスメイトに言わなかった。
景「今まで辛かったね、一人で」
景の優しい言葉に葉柚は涙があふれる。そして景は葉柚をそっと抱きしめた。
心晴「…!」
そこへ心晴が偶然通りかかる。心晴は葉柚を優しく抱きしめる景を見て、固まってしまう。
群青リフレクション2巻 6話
心晴「景ちゃん?」
景は心晴に気付き、葉柚から手を放す。そして心晴は景が葉柚を泣かせていると勘違いし、景に怒る。景と葉柚は、葉柚が物を盗まれていることを心晴に打ち明けるかためらっていた。
芹沢「説明した方が良いんじゃない?」
そこへ芹沢が割って入って来た。そして心晴、葉柚、景、芹沢はお昼に集まり話し合いをすることになった。
葉柚「紺野君、ありがとう」
葉柚は景の笑顔に安心する。
心晴「ぬすまれた?!」
心晴は葉柚が泣いていたことの真相を知る。そして、葉柚は「これぐらいのことで迷惑はかけたくない」と言い、先生やクラスメイトには明かせないと言った。
心晴は、梨沙や葉柚が「盗撮や盗みはよくあること」と言っていたことを思い出し、胸に引っかかる。葉柚は、かわいくてキラキラした存在。しかし、辛い部分を見せないで一人で抱えている。心晴は葉柚だけではなく、芸能界で活躍するクラスメイトのみんなも同じなのではないかと不安になる。
心晴「景ちゃん、景ちゃんもそういうのあった…?」
心晴は景の腕を掴みながら心配そうに見つめる。
景「ゼロではないよ。自分は変わらなくても、周りが受け入れられないこともある。」
景は芸能科に入る前から、雑誌で賞を獲得するほど注目を集めていた。有名になればなるほど、「住む世界が違う」と言われ、周りから人が離れていく。
心晴「ごめんね、わたし知らなかった」
景「いいよ、心晴はそのままで」
翌日の放課後
心晴、葉柚、景、芹沢は、一緒に帰る約束をしていた。外は雨が降っており、傘を探していると、葉柚の傘が無い事に気付いた。心晴は先生に言うと言ったが、葉柚が止める。
葉柚「しょうがないんだって、前に言われたことがあるの。こんなの有名税だって…」
心晴「有名なのは葉柚ちゃんや景ちゃんがお仕事頑張ったからでしょ?なんで学校でまで我慢しなきゃいけないの?我慢すればいいなんて、いいわけないじゃん!」
芹沢「…俺も、そっち派。耐えれば解決する保証ないじゃん?もういい子ぶるのやめたら?」
心晴と芹沢の言葉で葉柚は嫌がらせと戦う決意をする。そして、芹沢が犯人を特定する案があると言い出す。その後ろで、心晴、葉柚、景、芹沢が話す様子を盗撮する男子生徒の影があった。
群青リフレクション2巻 7話
心晴「これ何ー?!」
葉柚「雑誌の撮影で私物持って来たんだ」
葉柚は雑誌の撮影のために、コスメなどの私物を持ってきていた。葉柚の貴重な私物に心晴や梨沙が集まる。
葉柚は撮影に使う私物をロッカーの中にしまった。
数時間後
芹沢「きた!!!」
芹沢が急に足り上がり、心晴やクラスメイトが走って教室を出る。そしてロッカーに行くと、見知らぬ男子生徒が葉柚のロッカーの前にいた。芹沢はスマホ連動型の小型カメラを葉柚のロッカーに仕込んでいた。
そして心晴、芹沢、景、葉柚、梨沙が犯人を追い詰める。
男子生徒「はゆゆちゃんが、好きなんだ!」
犯人の男子生徒が罪を認める。
男子生徒「お前らはファンがいるからこそだろ、こんな事でごちゃごちゃ言うな!」
芹沢「てめぇ」
心晴「ファンって言葉でごまかさないで、好きな子には笑っててほしいって思うよね?自分の思い通りにならないからって、好きな女の子泣かしてんじゃねぇ!」
景「心晴!!」
景は心晴を落ち着かせる。
葉柚「盗ったもの返して。もうしないって約束できるなら、いいよ。気持ちは分かるから…」
葉柚は自分も憧れだった景に会えた喜びを思い出す。
そして葉柚や梨沙は、今まで有名税だと思って嫌な事から逃げていたことを振り返る。そしてこれからは「イヤなことは嫌と言っても良い」と感じる。そして2人が前を向いた先には心晴の笑顔があった。